医師の年収は、働き方や年齢で大きく異なります。現在医師として働いている方や医師を目指している方は、医師としての働き方や年齢別の年収を知りたいと思った経験もあるのではないでしょうか?今回は医師の年収を働き方・年齢別に紹介していきます。また、他の職種との比較として日本国内の職種別年収ランキングもご紹介します。ぜひ参考にして就職・転職等に役立ててください。
医師の平均年収は約1161万
勤務医の平均年収は約1161万ですが、個々にみると働き方や年齢等で大きく異なります。
厚労省の『賃金構造基本統計調査』をもとに、働き方・年齢・分野別の平均年収を調査しました。
「能力と働きに見合った年収を得ているか」「転職によって自分をより活かせないか」等と考えている方は、参考にしてください。
勤務先別の医師の年収
勤務医の年収は、勤務する病院の規模や、国公立が民間なのか、などによって大きく異なります。
勤務先の病院を、
- 大学病院・基幹病院
- 市中病院
- クリニック
に分けて比較すると、一般の企業とは異なり、規模の大きい病院ほど年収が低い傾向にあります。
働き方①大学病院・基幹病院:平均年収 約940万
大学病院の医局勤務等が対象となります。
有名な大病院が多く、施設・設備面で優れていたり、より専門的な研究ができる等のメリットがありますが、他の働き方と比較して平均年収は低くなっています。
その原因は、大学病院や基幹病院に特有の諸事情にあります。
大学病院・基幹病院で経験や実績を積み、その後に他の病院に転職したり、開業する若い医師が多いこと、公的な病院ということで利益を優先した病院経営が難しいこと、先端医療の研究など直接収益に繋がらない業務を担っていること、等です。
働き方②市中病院:平均年収 約1560万
大学病院や基幹病院と比較すると、平均年収は高くなっています。
市中病院が高いというより、大学病院や基幹病院の平均年収が、上記の事情により低く抑えられていると言っていいでしょう。
また患者一人あたりの医師数が少なく業務は多忙となりますが、医師一人当たりの収益も高いことも、大学病院等との平均年収の差に繋がっています。
働き方③クリニック:平均年収 約1590万
クリニックの平均年収についても、市中病院と同様の理由で、大学病院や基幹病院と比較すると高くなっています。
民間病院が中心で、各病院の特性を活かした経営によって高い収益を上げている病院もあり、各病院の経営努力により市中病院と比較しても、平均年収は少し高くなっています。
年齢別の医師の年収
次に年齢別の平均年収を見てみます。
医師の平均年収は、一般のサラリーマンと同様に20代~50代にかけ上昇し、60代から下がり始めます。
しかし大きく違うのは、医師の平均年収の水準が一般のサラリーマンと比較して高いことと、60代~70代にかけて平均年収はダウンはしますがダウン幅はそれほど大きくないことです。
20代:平均年収 約660万
大学を6年で卒業し、研修医2年を経て医師になるため、対象となるのは20代後半の医師となります。
医師としてスタートしたばかりですが、既にサラリーマンの平均年収約440万(国税庁「平成30年分 民間給与実態統計調査」)を大きく上回っています。
30代:平均年収 約1060万
医師として一人前となり、平均年収も1000万を超えています。
平均年収が1000万以上の人は、サラリーマン全体の約5%(国税庁「平成30年分 民間給与実態統計調査」)であることから、30代で高給の大手企業と同等かそれ以上の収入を得ていることになります。
40代:平均年収 約1410万
働き盛りで、役職もついてきますので平均年収も大きくアップします。
平均年収が1000万以上の人は、サラリーマン全体の約1%(国税庁「平成30年分 民間給与実態統計調査」)
です。
50代:平均年収 約1710万
50代になっても平均年収は上がっています。また年齢別では平均年収は最高になります。
一般のサラリーマンの平均年収は、役職定年などで50代でほぼ頭打ちであるのに対し、医師の場合は、40代と比較して約300万円も平均年収が上がっています。
60代:平均年収 約1620万
60代の平均年収も50代と比較して、それほど大きくは下がりません。
一般のサラリーマンは定年退職とともに平均年収は大幅にダウンしますが、医師は60歳を過ぎても40代の平均年収を上回る収入を確保しています。
70代以上:平均年収 約1370万
70代でも平均年収1000万を大幅に上回る高収入で、平均年収は40代と比較しても大差はありません。
健康で意欲があれば、70才を過ぎても十分な収入を得ながら働くことが可能です。
他の業種との比較
世間一般では、医師は高収入だと言われていますが、実際の平均年収は、他の業種と比較してどうなのでしょうか?
厚労省『平成30年賃金構造基本統計調査』より職種別年収ランキングを掲載します。
日本国内の職種別年収ランキング
1位 | 航空機操縦士 | 2048万円 |
2位 | 医師 | 1161万円 |
3位 | 大学教授 | 1081万円 |
4位 | 公認会計士・税理士 | 891万円 |
5位 | 大学准教授 | 867万円 |
6位 | 歯科医師 | 848万円 |
7位 | 記者 | 788万円 |
8位 | 弁護士 | 765万円 |
医師の年収は、航空機操縦士に次いで日本国内では2位となっています。
高給取りのイメージがある弁護士や公認会計士、歯科医師と比較して、医師の平均年収はかなり高くなっています。
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