家のメンテナンスの必要性や時期の目安、方法や長持ちするコツを解説

住宅は時間が経過するほど劣化が進み、腐食や傷み等が発生しますので、メンテナンスが必要になりますが、そもそもメンテナンスが本当に必要なのか、いつやればいいのか、どうやってやればいいのかなどわからないことは多いと思います。

そこでこの記事では、住宅のメンテナンスにまつわる必要性やタイミング、その方法をご紹介します。今の家のメンテナンスをしたことがない人はぜひこの記事を参考にしてください。

家のメンテナンスの必要性

家のメンテナンスが必要な理由としては「住宅の寿命」と「資産価値の維持」の2点があげられます。

そもそも住宅は常に雨や風に晒されたり直射日光に当たったりするため、内装と比べて劣化の進行が早い箇所であり、その状況を続けているといずれ寿命が訪れますが、定期的にメンテナンスを行うことで劣化部分をケアし、長期間快適に暮らせるようになります。

また、住宅の価値は「建築年数」と「コンディション」によって左右され、建築年数には抗えませんがコンディションに関しては劣化がひどい場合、売値が安くなってしまうため、メンテナンスをしっかりと行うことで資産価値の下落を防ぎ、価値を維持することができます。

家のメンテナンスでは特に外壁・屋根の塗装が重要

家のメンテナンスでは特に外壁・屋根の塗装が重要となります。

外壁や屋根には「外気から家を守る」という役割があり、雨や風だけでなく、台風などの大きな天災からも住人を守ってくれるため、その分ダメージが蓄積しやすく、見た目がそれほど変わらなくても、内側からじわじわと衰えていくケースは少なくありません。

その代表例が「耐水性」で、本来は壁や屋根が雨や湿気を防ぎ、室内の空気を正常に保ってくれますが、長年放置していると建築資材の中に湿気がたまり耐水性が低下してしまいます。このような機能が低下しないように住宅には特別な塗装が施されていますが、それも永久に持続するわけではありませんので、塗装の状況を見極め、適切なタイミングで修繕・メンテナンスを行う必要があります。

住宅の寿命・耐用年数の目安

木造・鉄骨・RC造(鉄筋コンクリート)は、住宅の寿命や耐用年数の目安はそれぞれ異なります。木造、鉄筋、鉄骨のそれぞれの耐用年数は、法定耐用年数の基準値や住宅部位別の交換周期などから算出されます。

木造住宅

木造住宅の場合、メンテナンスを十分に行なっていない場合の寿命は「30年前後」ですが、定期的に点検し迅速に修繕を行えば「80年以上」の耐用年数となります。

日本の一戸建ては建築の手間もかからず安価で済ませられる木造建築が非常に多いのですが、耐水性が高くなく、気候の変化を敏感に反映してしまうため、雨漏りが起こりやすく劣化した部分に隙間ができるなどの問題も発生し、その結果およそ30年で寿命を迎えます。

ただし、持主が自宅を定期的に点検し、欠陥部分を迅速に修繕していれば、80年以上も持ちこたえることは珍しくありません。劣化した設備をこまめに交換すれば、特に不快な思いをせずにすむでしょう。また、大規模なリノベーションを施すのもひとつの方法で、外壁や屋根はもちろん、フローリングや水回りなど、劣化しやすい箇所を新しく直していくことで、寿命も伸びます。

RC造(鉄骨・鉄筋コンクリート)

RC造は木造と比較すると寿命が長く、建造から30~90年はリノベーションをしなくても持ちこたえられるでしょう。

ただし、RC造もメンテナンスは必要で、鉄骨や鉄筋に問題が無くても、例えば地盤沈下や建付けが悪くなるなどの現象が発生することもあります。また、RC造でも経年劣化は避けられませんので、メンテナンスを行わずにそのまま暮らしていると、30~90年よりも前に早く寿命が来てしまう可能性もあります。

家のメンテナンスに最適な時期・タイミング

家のメンテナンスは新築から10年程度で必要となり、その後も10年ごとにメンテナンスを行うべきです。ここでは10年~30年までのメンテナンスの概要をご紹介します。

築10年程度

家を建ててから10年が経つと、最初の大掛かりなメンテナンスが必要になると言われており、外壁や屋根といった室外に晒されている箇所は、すでにダメージが蓄積しているといえます。

具体的には、壁材やシーリング自体の劣化や剥離、色の変化などが起こり始めるタイミングです。たとえ目立った劣化ではないにせよ、放置することで今後ますます状態がひどくなっていく可能性がありますので不安要素は、このタイミングで取り除いておくのが得策です。

そもそも「新築10年でメンテナンスをしよう」と推奨されるようになったのは、サイディング(外壁材の1種)の寿命が約10年前後だからです。また、この時期に壁紙や床材でも劣化、変色が起こり始めます。

築20年程度

外壁や内装がさらに劣化してくるだけでなく、給湯設備や水道管、空調なども寿命を迎え始めるのが築20年あたりからです。すなわち、家の外観・内観だけではなく、生活を維持するための設備も劣化が進行し寿命を迎えていきます。

築20年を経過したら、築10年のときと同じく外壁塗装などのメンテナンスを行い、そのうえで全体的な外装・内装も見直していきます。さらに設備の機能性についても正常に機能しているのかをチェックし、修繕や工事が必要化をしっかりと見極めていきましょう。

築30年程度

築30年は、定期的なメンテナンスや修繕を経た時期ですので、順調に点検がなされてきた住宅であれば、大きな不便はないでしょう。メンテナンスを施すことで、この先も快適に暮らしていくことも可能です。

ただし、メンテナンスの実行度合いによっては家の快適さ・機能性には大きな差が出てきます。設備や外壁、屋根などが傷んだまま放置され、ますます住みにくくなっているケースもあるでしょう。

30年経った家は、長寿命化を本格的に考える必要があり、劣化している箇所を根本からリフォームしたり、建て替えを行ったりするタイミングです。また、新築から年月が経っているので、生活様式や自宅の利用方法などを新たに見つめ直す時期でもあります。

外装のメンテナンス箇所・内容・費用の目安

メンテナンス時期や費用の目安、施工内容を中心にメンテナンスのポイントを項目ごとに紹介していきます。

外壁

外壁のメンテナンスでは、浸水や漏水といった被害を防ぐために、再塗装を行うのが定番です。現状は大丈夫だと思っていても、劣化してしまうと被害は大きくなっていきますので、先手を打つようにしましょう。

費用は外壁の大きさによっても変わりますが、塗装で60万~80万円程度かかります。また、タイル洗浄・目地の打ち替えで5万~70万円、サイディングの打ち替えや再塗装で2万~200万円と、施工内容によって幅が大きいのも特徴です。

ただ、外壁は家の防寒や外観に関わってくる箇所なので、手抜きをせずにメンテナンスしたいところです。これらの経費に加えて、業者に足場組みや人件費、塗装原料代などを支払う必要があります。

屋根

屋根のメンテナンスは屋根材や構造によって費用に大きく開きがあり、例えば粘土瓦やステンレスの張り替えなら、140万円前後の費用がかかりますが、スレート・鋼板の塗装なら60万~80万円前後で完了することも少なくありません。

さらに、防水シート増し貼りをしてもらうのであれば、100万~150万円前後かかります。化粧カバーや軒天などの塗装は、30万~40万円前後が追加でかかってきます。シーリングの打ち替えには、箇所ごとに5万~20万円ほどかかってくるため、予算と相談しながらどの程度のメンテナンスを目指すのか決めましょう。

基礎・構造体

基礎や構造体とは住宅の根幹をなす部分であり、ここが経年劣化してしまうとすべての部分に影響が及ぶため、5~10年ごとに点検し、定期的にメンテナンスを行う箇所です。

メンテナンスの基本は塗装によるコーティングで漏水・浸水被害を予防することで、それ以外にもシロアリ対策・駆除も重要です。木造住宅であれば、古くなった箇所にシロアリが寄生することも珍しくありません。

これらの作業には、15万~20万円前後かかります。ちなみに、居住環境の配慮や長期利用の設備構造を成している「長期優良住宅」の場合、この限りではありませんので、必要に迫られたときだけ、メンテナンスを施すようにしましょう。

ベランダ・バルコニー

ベランダやバルコニーは重要性がそれほど高くはありませんが、雨漏りや建材の老朽化が起こりやすい箇所ですので、メンテナンスはしっかりと行いましょう。

繊維強化プラスチックを用いるFRP防水などの補修を中心に、劣化した部分を修繕していきます。張り替えや重ね塗り、増し張りは30万~70万円が相場です。また、建材部品やシーリングの交換は10万~50万円前後です。

ドア・窓・サッシ・シャッター等

ドアや窓、サッシやシャッターは自宅と外をつなぐ大事な部分で、中には消耗品もあるため、細かくチェックする必要があり、メンテナンス頻度は数年おきが理想的です。

メンテナンスにかかる費用として、例えば戸車などの消耗品交換は、1万円前後からあります。一方で、ドアは15万~50万円、サッシは15万~30万円、網戸は5万~10万円、シャッターは15万~30万円が相場であり、それなりの費用はかかってしまいます。


内装のメンテナンス箇所・内容・費用の目安

住宅のメンテナンスでは壁や床などの内装や水まわり設備のリフォームやリノベーションも欠かせません。

壁や床

床や壁はどのような建材を使用するかによって費用が変わりますので、クロス、フローリング、畳など使っているものによってケア方法を工夫しましょう。

ただ、いずれも1箇所ごとに1万円ほどの費用はかかってきます。総貼り替えともなれば、さらに多額の費用を用意しなくてはなりません。ちなみに、フローリングの耐用年数は15~20年前後、クロスは10年前後、畳は裏返しで2~3年、表替えが4~5年、畳床は10~15年前後です。

水道管設備(給水・給湯管、排水管)

水道管設備は、住宅設備の中でも長持ちしやすい部分で、上水なら30~40年、下水で40年ほど使い続けられるため、点検や補修の間隔は5年、長くて10年でも問題ないでしょう。

その際、必要があれば高圧洗浄などを実施してメンテナンスは完了となり点検や補修の費用は箇所ごとに1万円ほど、高圧洗浄が3~5万円ほどです。ちなみに、水道管設備そのものの交換は30万~50万円ほどかかってきます。

キッチン周り

システムキッチン本体やレンジフード、コンロなどの内装設備は5~15年を目安として交換するのが定番です。機器のメンテナンスには、20万~120万円の費用が掛かります。パーツによって価格の開きが大きいことが特徴で、キッチン本体なら、300万円以上することもあります。

トイレ・洗面所

一般的に、便器やタンク、洗面所の寿命は10~20年程度です。それぞれのパーツを点検したり、交換したりするには1万~5万円かかってきます。便器や洗面台の本体交換には、10万~30万円程度を想定しておきましょう。

お風呂(浴室)

浴室の耐用年数として、普通の部屋を耐水仕様にしている在来浴室は20年、ユニットバスは15年となっています。メンテナンスについては、場合によっては在来浴室をユニットバスにしたり、ユニットバスを新しくしたりする大規模な工事も必要です。

各パーツや建材の補修は、5万~15万円程度かかります。 そして、大規模メンテナンスには、100万~250万円前後かかることを覚えておきましょう。

以上が、メンテナンスの概要や金額になります。長期間快適に暮らすためには定期的なメンテナンスが必要になり、特に外壁と屋根に関しては家の寿命と大きく関係していますので、しっかりと修繕を行いましょう。

家のメンテナンスは業者に依頼しましょう

外壁や屋根のみならず、家のメンテナンスには専門的な知識も必要になりますしDIYではなかなか難しいと思います。そのため、外壁塗装や屋根塗装の業者やリフォーム専門店に依頼することで、劣化している箇所を確実に、そしてスムーズにメンテナンスしてくれるでしょう。

マイナビニュース「住宅のメンテナンスガイド外壁塗装Navi」では市区町村ごとにおすすめの外壁塗装業者や助成金情報をまとめて掲載しています。あなたの住宅メンテナンスにぴったりのおすすめ業者を掲載していますので、そちらもぜひ参考にしてみてください。

続きを読む>>

Advertisement