自由葬の特徴って?メリット・デメリットや参列者のマナーについても解説

「自由葬は一般的な葬儀と何が違うの?」,「自由葬について詳しく知りたい」,「自由葬が向いているのはどのようなケース?」

自由葬の特徴って?メリット・デメリットや参列者のマナーについても解説


このように、終活中の方の中には自由葬について疑問に感じることもあるでしょう。

この記事では、自由葬の流れや特徴、注意するべきマナーや葬儀業者を選ぶポイントなどを紹介します。

本記事を読むことで、自由葬の一連の流れや、一般的な葬儀との違いなどが把握できるため、自由葬への理解が深まります。また、他の葬儀方法と比べられるため、自分に合った葬儀方法が選択できるでしょう。

終活中の方や自由葬について疑問を感じている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。


メニュー

  • そもそも自由葬って?
  • 自由葬の4つの特徴
  • 1:特定の宗教宗派にとらわれない
  • 2:葬儀内容に決められた形式がない
  • 3:故人らしい葬儀内容を企画する
  • 4:自由葬にかかる費用は葬儀内容によりさまざま
  • 自由葬の流れについて(通夜形式の場合の一例)
  • 参列者の受付をする
  • 親族や参列者に着席してもらう
  • 葬儀を開式する
  • 故人に黙とうを捧げる
  • 故人の写真や動画などを流す
  • 故人にお別れの言葉を捧げる
  • 喪主から参列者にあいさつをする
  • 通夜ぶるまいを行う
  • 自由葬で懸念されること
  • 宗教宗派がある場合は家族などの理解が必要
  • 参列者に馴染みがなく戸惑うことも多い
  • お墓に納骨できなくなることも
  • 葬儀内容を企画しなければならない
  • 葬儀業者によってはサービスの質が安定しない
  • 自由葬が向いているケース
  • 家族や親族が無宗教の場合
  • 納骨予定のお墓が宗教宗派を問わずに利用できる場合
  • 故人の意思を反映した葬儀にしたい場合
  • 故人と関わりが深い知人などが協力してくれる場合
  • 自由葬で注意するべきマナー
  • 香典のマナー
  • 服装のマナー
  • 数珠のマナー
  • 自由葬を行う葬儀業者を選ぶ6つのポイント
  • 1:自由葬の実績がある
  • 2:対応が丁寧である
  • 3:故人と家族の想いを尊重した企画力がある
  • 4:相談しやすい体制が整っている
  • 5:料金体系やプランが明快である
  • 6:葬儀後のサポート内容が充実している
  • 自由葬の特徴やマナーについて理解しよう

そもそも自由葬って?


自由葬とは、決まった風習やしきたりにとらわれない葬儀の形式です。特定の宗教儀式を行わないため「無宗教葬」とも呼ばれています。

一般的な葬儀の場合では、儀式や法要などの仏事を決められた形式で行うことが一般的ですが、自由葬では宗教儀式を排除して遺族や故人の希望のスタイルで行います。


自由葬の4つの特徴


自由葬は決まった形式がないため、葬儀の内容、費用など、遺族や故人の意思を反映しやすいです。ここからは、自由葬が持つ独自の特徴について解説します。自由葬の特徴を理解した上で、他の葬儀形式と比較してみましょう。

  • 特定の宗教宗派にとらわれない
  • 葬儀内容に決められた形式がない
  • 故人らしい葬儀内容を企画する
  • 自由葬にかかる費用は葬儀内容によりさまざま

1:特定の宗教宗派にとらわれない


一般的な葬儀では宗教儀式に従って行うため、内容に決まりがあります。しかし、自由葬にはルールがないため特定の儀式を行う必要もなく、会場の設営も自由に行えます。

宗教色を出すかどうかも自由に決められるため、遺族や故人に希望する宗教儀式がある場合は、自由葬に織り交ぜることもできるでしょう。


2:葬儀内容に決められた形式がない


自由葬は、遺族や故人の希望で企画を1から組み立てていける点が大きな特徴でしょう。例えば、読経の代わりに黙とうをする、服装を喪服以外のものにする、などは自由葬の中でよく見られる形式です。


3:故人らしい葬儀内容を企画する


自由葬は故人の好きなものと一緒に見送るなど、生前縁のあったものを葬儀に取り入れることも可能です。音楽が好きだった場合は、故人がよく聞いていた歌を会場で流したり、生演奏で見送ったりなど、葬儀の全ての内容に故人らしさを取り入れられます。

また、時間のコントロールもしやすく、参列者が少ない場合は葬儀自体が30分程度で終わることもあるでしょう。


4:自由葬にかかる費用は葬儀内容によりさまざま


一般的な葬儀費用の相場は約200万円と言われていますが、自由葬は一言で言い切ることが難しい傾向があります。自由葬は遺族や故人の希望で企画の内容が変わるため、かかる費用は葬儀内容によってばらつきがあるでしょう。

宗教的な儀式を省略する場合は僧侶へのお布施の用意が必要ないため、他の演出費用にあてるということも可能です。


自由葬の流れについて(通夜形式の場合の一例)


自由葬には決められた儀式はありませんが、ここからは一例として通夜に倣った形式で流れを解説します。

また、一般的な通夜から葬式・告別式の流れのどこにあたるタイミングで行うかについても、一例として参考にしてください。


参列者の受付をする


はじめに、参列者の受付をします。葬儀開始の1時間くらい前から受付をはじめることが一般的です。遺族や親族は早めに会場に入り、所定の位置で待機します。

受付では多くの場合、弔問に訪れた方からの香典の受け取りや、芳名帳の記帳などがあります。芳名帳は一般の参列者の方だけではなく、親族などにも記帳していただきます。


親族や参列者に着席してもらう


儀式がはじまる5~10分前までには会場に入り、弔問に訪れた全ての方に着席してもらいます。

遺族や親族は座席の順番があるため、担当葬儀業者のアナウンスに従います。一般的な葬儀の場合は遺族や親族は、祭壇に向かって右側を使用することが主流です。

また、喪主や遺族など故人と関係が近い場合は通路の右側が指定の席となるでしょう。参列者は、祭壇に向かって左側の席を使用します。


葬儀を開式する


参列者や遺族、親族が全員着席した後、葬儀を開式します。開始時間になると、葬儀業者の担当者から開始のアナウンスがあるでしょう。

弔問に訪れた方に自由葬であることを周知しておく必要があるため、開始のアナウンスとともに自由葬として執り行うことの説明があります。その他、故人の名前や亡くなった日、喪主の名前なども紹介されるでしょう。


故人に黙とうを捧げる


開式のアナウンスを終えると、故人へ黙とうを捧げます。黙とうは、故人を弔い偲ぶ思いや、供養のため冥福を祈る意味があります。

声を出さず祈りを捧げる時間であり、必ずしも目を閉じなければならない行為ではありません。自分の心を整理して、見つめ直す時間といえるでしょう。遺族や親族、一般の参列者らは全員で故人のことを思い悼む気持ちを込めて祈ります。


故人の写真や動画などを流す


自由葬の場合は、宗教的な儀式である読経の代わりに、故人の写真や動画などを流すことが多いです。故人の生い立ちや趣味など、一連の画像を順次表示するため、遺族や故人の意向が深く反映されるでしょう。


故人にお別れの言葉を捧げる


はじめに故人と親しかった友人や知人がお別れの言葉を述べます。友人や知人の後は、故人の孫など血縁関係のある遺族がスピーチをします。

スピーチを複数人で行う場合、故人の近くで寄り添いながら言葉を述べるケースもあるでしょう。


喪主から参列者にあいさつをする


喪主からのあいさつは、会場まで足を運んでいただいた方々に対して感謝の気持ちを伝える大切な意味があります。故人を失った悲しみの中であいさつをすることは、思った以上に負担が大きい場合もあるため、事前に内容を決めておくと良いでしょう。

また、内容によっては、喪主や遺族のあいさつの前に、献花を行うケースもあります。


通夜ぶるまいを行う


通夜ぶるまいとは、葬儀の後で遺族が参列者らを会食に招きもてなす行為です。酒や食事をふるまうことで、弔問への感謝の気持ちを表す意味があります。

形式は参列者の数や会場の規模で変わります。立食スタイルのケースや座席に座りながらのケースなどさまざまです。

時間に決まりはありませんが、多くの場合で30分から1時間程度でしょう。参列者は長居せず速やかに解散します。


自由葬で懸念されること


遺族や故人の希望が叶う自由葬ですが、気をつけるべき点がいくつかあります。自由葬を執り行う前に良い面だけではなく、悪い面も確認しておきましょう。

ここからは、自由葬の懸念ポイントを5つにまとめて解説します。


宗教宗派がある場合は家族などの理解が必要


自由葬は新しい葬儀のスタイルです。全ての人が葬儀の概要を認知していないこともあるため、家族や親族の承諾を十分に得ておく必要があるでしょう。

また、先祖代々伝わる宗教宗派がある場合は、宗教的な儀式を重んじる方から理解を得られない可能性もあります。後からトラブルに発展しないよう、早めに話し合いの場を設けておくことが大切です。


参列者に馴染みがなく戸惑うことも多い


日本では多くの場合、葬儀が仏式で行われるため、自由葬に馴染みがない参列者は服装や香典のマナー、お悔やみの言葉をどうしたら良いのか、混乱してしまう恐れもあります。

混乱を大きくしないためには、あらかじめ案内を丁寧にしておく必要があります。例えば、喪服の着用が必要であるか、香典ではなく会費とするかなど、参列者が困らないように配慮しましょう。


お墓に納骨できなくなることも


日頃からお世話になっている菩提寺がある場合は、本来の儀式を無視した自由葬を行うことで納骨ができない可能性もあります。

仮に離檀する際にも住職の理解や協力が必要であるため、菩提寺にも事前に説明をするなど慎重に対応しましょう。


葬儀内容を企画しなければならない


自由葬では、遺族が最初から企画を組み立てる必要があります。葬儀の流れをどのようにするか、思い出の品は何を選定するか、など細かい提案が求められるでしょう。

希望の企画が定まらないときは、葬儀自体が困難になってしまう可能性もあります。演出にあてる時間を調整する、経験が豊富な葬儀業者を選ぶなど事前に対策を練っておきましょう。


葬儀業者によってはサービスの質が安定しない


納得した企画で自由葬を行うためには、葬儀業者の運営や制作サービスの質が重要です。しかし、自由葬の経験が少ない葬儀業者ではサービスの質が安定しないこともあります。

納得した演出や提案力のある葬儀業者を見つけるためには、複数の業者を比べるなど葬儀業者の選定に時間をかける必要があるでしょう。


自由葬が向いているケース


自由葬はどのような方に向いているのでしょうか。特に、宗教上の都合や希望などは選択に大きく関わるでしょう。

ここからは、自由葬が向いているケースについて紹介しますので、自分の希望条件にあてはめて検討してみましょう。


家族や親族が無宗教の場合


家族や親族が代々宗教を信仰していない場合は、自由葬が向いているといえるでしょう。故人に信仰している宗教があり、遺族が自由葬を希望する場合には、トラブルを防ぐためにも親族間で相談が必要です。


納骨予定のお墓が宗教宗派を問わずに利用できる場合


前述したように、檀家などで日頃お世話になっている菩提寺がある場合は、自由葬を行うことで納骨が難しくなってしまう場合があります。

民間や公営など無宗教で納骨できる施設を利用する場合は、自由葬が行いやすく、トラブルなどマイナスとなるリスクを軽減できるでしょう。


故人の意思を反映した葬儀にしたい場合


自由葬は宗教色を気にする必要がなく形式に決まりがないため、故人の意思を全面に映し出した葬儀を行えます。会場では祭壇の飾り方なども決まったルールがありません。故人らしさを十分に表したい方には向いている葬儀の形式と言えます。


故人と関わりが深い知人などが協力してくれる場合


自由葬の中では、故人と関わりが深い友人や知人などによるスピーチを演出に取り入れる場合があります。思い出の映像の上映や音楽の演奏などもよく見られる企画内容です。

故人と関わりの深い知人・友人が、スピーチや思い出の写真・エピソードの提供などに協力してくれる場合は、自由葬が向いていると言えるでしょう。


自由葬で注意するべきマナー


自由葬に慣れていない参列者が多い場合は、服装や香典などのマナーは気になる内容の1つでしょう。

ここからは、自由葬で気をつけるべきマナーについて紹介します。参列者になった際にも、活用できるためよく理解しておきましょう。


香典のマナー


自由葬の場合も香典を持参することがマナーです。地域により差がありますが、近い親族の場合は約1~10万円、知人や友人の相場は約5,000円~1万円、職場関係者には約3,000~1万円が一般的でしょう。

ただし、事前に遺族から会費制という案内があった場合は、香典を用意する必要はありません。


服装のマナー


事前に特別な案内がない場合は、一般的な葬儀と同様の喪服を着用することがマナーです。男性の場合は黒を貴重としたフォーマルスーツ、白シャツ、黒の靴と靴下などが良いでしょう。

また、女性の場合は黒のワンピースやスーツ、黒の靴とストッキングを着用し、カバンやアクセサリー類も控えめなデザインを選びましょう。


数珠のマナー


自由葬などの無宗教葬の場合は、数珠のマナーに決まりがないため持参する必要はないでしょう。多くの場合、参列者それぞれの判断が重視される傾向があります。

もしも、数珠に迷ったときは宗派にこだわらず使用できる「略式数珠」を持参しましょう。


自由葬を行う葬儀業者を選ぶ6つのポイント


葬儀業者は企画や演出に深く携わるため、慎重に選ぶ必要があるでしょう。ここからは、葬儀業者を選ぶときのポイントを6つにまとめて紹介します。葬儀を有意義なものにするためにも事前に確認しておきましょう。

  • 自由葬の実績がある
  • 対応が丁寧である
  • 故人と家族の想いを尊重した企画力がある
  • 相談しやすい体制が整っている
  • 料金体系やプランが明快である
  • 葬儀後のサポート内容が充実している

1:自由葬の実績がある


自由葬の実績が豊富な葬儀業者は、マニュアルが充実している可能性があります。問い合わせたときに、過去の葬儀で用いた企画や具体化な演出の方法を聞いてみましょう。

会場内の設営が確認できる写真などがあれば、参考として見せてもらうことをおすすめします。自分が希望する葬儀の形式とマッチするかどうか見極めるためのポイントとなるでしょう。


2:対応が丁寧である


対応が丁寧な葬儀業者を選ぶことは、自由葬を行う上で大切なことです。葬儀は頻繁に主催することではないため、不明な点も多いことでしょう。また、故人を亡くし失意の中で葬儀を取り仕切ることは容易ではありません。

いつでも丁寧かつ的確に対処してくれる葬儀業者は、遺族にとって心強いサポーターになります。電話や窓口の対応が細やかであるか、質問に丁寧に答えてくれるかなどを意識して確認しましょう。


3:故人と家族の想いを尊重した企画力がある


故人と家族の想いを重点的に葬儀に反映してくれる葬儀業者を選びましょう。自由葬を選択しても、意思が尊重されなければ意味がありません。

遺族ら家族の意見に耳を傾けてくれるか、それを企画を形に変える力や提案力があるかという点が大切なポイントです。


4:相談しやすい体制が整っている


希望の葬儀内容を反映させるためには、事前に葬儀業者へ相談しておくことが大切です。電話での問い合わせや資料の取り寄せなど、相談窓口の体制が整っている葬儀業者を選びましょう。

一社ではなく、複数の業者に問い合わせて対応の良い会社を選ぶことをおすすめします。


5:料金体系やプランが明快である


自由葬は遺族の持ち込む企画によってかかる費用が変動するため、希望する内容が葬儀業者の料金体系やプランとマッチするかという点が重要です。

料金体系に幅があることや、プランのバリエーションが豊富であることも葬儀業者を選ぶポイントとなるでしょう。


6:葬儀後のサポート内容が充実している


葬儀の後も遺族は各種手続きに追われます。納骨や保険関係、相続、市町村での手続きなどさまざまです。そのため、葬儀が終わってからどの程度サポートしてくれるかという点も、良い葬儀業者を見極めるポイントとなるでしょう。


自由葬の特徴やマナーについて理解しよう


ここまで、自由葬の概要や流れ、葬儀業者の選び方について紹介しました。自由葬は形式にとらわれず、遺族の希望通りに企画できることが葬儀の特徴です。

自由葬を検討している方は、この記事を参考に自由葬への対応力が高い業者を選び、希望に沿った葬儀を行いましょう。

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