今週(8月5〜9日)の日経平均株価は下落し、最終的に先週末と比べて884.70円(2.46%)安い3万5025.00円で終えました。
■日経平均株価チャート/日足・3カ月
日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます拡大画像表示
先週末8月2日に発表された7月の米・雇用統計が事前予想より弱かったことから米国の景気後退懸念が高まり、週明け5日には前日比4451円安と、1987年のブラックマンデー翌日につけた同3836円安を超える過去最大の下落となりました。
しかし翌8月6日には、7月の米・ISM非製造業景況指数が市場予想を上回ったことなどから米国の景気後退懸念が和らぎ、前日比3217円高と過去最大の上昇を見せました。
■日経平均株価チャート/15分足・10日
日経平均株価チャート/15分足・10日(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます拡大画像表示
その後、8月7日は前日比414円高、8日は同258円安と比較的小幅な値動きでしたが、日中の変動幅は7日が2800円程度、7日は2100円程度と大きく、荒い値動きのなかで短期的な売買が中心となりました。
週末8月9日の日経平均株価は買い先行で始まり、朝方には前日比800円高となる場面もありましたが、後場は下落に転じて一時は同400円安まで売られました。ただ、ファンドの持ち高を圧縮する動きは週初で一巡したと見られ、さらに為替市場でドル/円相場が1ドル=147円台と落ち着きを見せてきたこともあり、14時を過ぎると再びリバウンドに転じ、最終的に前日比193.85円で終えました。
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来週の日経平均株価は目先的な底入れが意識されやすく、
過度に売り込まれている銘柄の株価上昇に期待!
【来週の日経平均株価の想定レンジ】 3万4000 ~ 3万7000円
来週(8月13〜16日)の日経平均株価は、押し目狙いのスタンスになりそうです。
お盆休みで市場参加者は限られるものの「世界同時株安」の流れが落ち着いてきたことから、過度に売り込まれた銘柄の上昇が期待できます。今回の急落では、好業績銘柄も関係なく売られる流れとなっており、決算発表のピークを通過したことから、改めて業績を見直す流れが意識されるでしょう。
また、米国では来週も7月の卸売物価指数(PPI)や消費者物価指数(CPI)、8月のニューヨーク連銀製造業景気指数、フィラデルフィア連銀製造業景気指数、ミシガン大学消費者態度指数など、数多くの経済指標の発表が予定されており、市場の変動要因になる可能性があります。
ただし、今回の急落によってCTA(商品投資顧問)などが買いポジションを一気に解消したとの見方もあり、さらなる波乱の展開は避けられると見られ、反対に目先的な底入れが意識されやすくなるでしょう。
【今週の値上がり率・値下がり率・出来高ランキング】
日本情報クリエイトが+45.34%で値上がり率トップ!
ここからは、今週、値動きが目立った個別銘柄を見ていきましょう。
今週の値上がり率ランキングのトップは日本情報クリエイト(4054)でした。8月6日に2024年6月期決算と新中期経営計画を発表しており、これを手掛かりに連日のストップ高となりました。
値上がり率2位のメタプラネット(3350)は8月6日、全株主を対象に第11回新株予約権(非上場)の無償割当を行うことを決議したと発表。これを受けて連日ストップ高による上昇となりました。
値上がり率3位のAPAMAN(8889)は8月2日、MBO(経営陣が参加する買収)を実施すると発表。1株729円でTOB(株式公開買い付け)を実施するとの発表を受け、TOB価格にサヤ寄せする動きとなりました。
一方、今週の値下がり率ランキングの1位はオキサイド(6521)。8月2日に発表した「第三者割当による行使価額修正条項付第8回新株予約権」の発行が嫌気されたようです。
値下がり率2位のフーバーブレイン(3927)は、4月から7月半ばにかけて強い上昇が続いていたこともあり、市場全体の地合いの悪化を受けて換金売りが強まったようです。
■今週の値上がり率 トップ5 | ||
順位 | 先週末比(%) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | +45.34 | 日本情報クリエイト(東G・4054) |
2 | +45.12 | メタプラネット(東S・3350) |
3 | +43.39 | APAMAN(東S・8889) |
4 | +40.70 | アバントグループ(東P・3836) |
5 | +40.41 | ぷらっとホーム(東S・6836) |
■今週の値下がり率 ワースト5 | ||
順位 | 先週末比(%) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | −40.23 | オキサイド(東G・6521) |
2 | −39.02 | フーバーブレイン(東G・3927) |
3 | −32.89 | TWOSTONE&Sons(東G・7352) |
4 | −29.74 | イメージ ワン(東S・2667) |
5 | −28.44 | ビューティカダンホールディングス(東S・3041) |
■今週の出来高 トップ5 | ||
順位 | 出来高(株) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | 1,807,937,900 | NTT(東P・9432) |
2 | 783,588,000 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ(東P・8306) |
3 | 659,659,800 | ジャパンディスプレイ(東P・6740) |
4 | 601,370,600 | 三菱重工業(東P・7011) |
5 | 553,203,300 | ランド(東S・8918) |
【来週の主要イベント】
米国のCPI・PPIと小売売上高、フィラデルフィア連銀製造業景気指数、
ミシガン大学消費者態度指数、ウォルマート決算などに注目!
来週は以下のようなイベントが予定されています。
<8月12日(月)>
◆山の日の振替休日
◆印7月消費者物価指数(CPI)
◆米7月月次財政収支
<8月13日(火)>
◆決算:サッポロホールディングス(2501)、メルカリ(4385)、アシックス(7936)
◆7月国内企業物価指数
◆独8月ZEW景況感調査
◆欧8月ZEW景況感調査
◆米7月卸売物価指数(PPI)
◆決算:ホームデポ(HD)
<8月14日(水)>
◆決算:ヘッドウォータース(4011)、KADOKAWA(9468)
◆英7月消費者物価指数(CPI)
◆欧4-6月期四半期域内総生産(GDP)改定値
◆欧6月鉱工業生産
◆米7月消費者物価指数(CPI)
◆決算:シスコシステムズ(CSCO)
<8月15日(木)>
◆4-6月期四半期実質国内総生産(GDP)速報値
◆6月鉱工業生産確報値
◆6月設備稼働率
◆中7月小売売上高
◆中7月鉱工業生産
◆米7月小売売上高
◆米8月ニューヨーク連銀製造業景気指数
◆米8月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
◆米7月輸入物価指数
◆米7月輸出物価指数
◆米7月鉱工業生産
◆米8月NAHB住宅市場指数
◆決算:アプライド マテリアルズ(AMAT)、ウォルマート(WMT)
<8月16日(金)>
◆決算:パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)
◆6月第三次産業活動指数
◆英7月小売売上高
◆米7月住宅着工件数
◆米8月ミシガン大学消費者態度指数 速報値
【来週の注目銘柄】
「LINEヤフー」「大林組」「OKI」の3銘柄をピックアップ!
来週、注目したい銘柄は、この3つです。
LINEヤフー(2024年8月9日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
情報・通信 | 東P・4689 | 378.4円 | 21.8倍 | 0.92倍 |
市場全体が落ち着きを見せてくるなか、改めて決算を評価した株価上昇に期待 8月2日に発表した2025年3月期・第1四半期の業績は、売上収益が前年同期比7.6%増の4630億8500万円、さらに営業利益が同79.8%増の1068億200万円と市場予想(555億円程度)を上回る進捗でした。ただ、株価は好決算に反応することなく、世界的な株安の影響から8月5日には338.6円まで急落。市場全体が落ち着きを見せてくるなか、改めて決算を評価した相場展開に期待です。 | ||||
大林組(2024年8月9日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
建設業 | 東P・1802 | 1888円 | 15.5倍 | 1.21倍 |
「南海トラフ地震臨時情報」の発表により、防災対策への関心が高まる 8月8日に発生した九州南部の日向灘を震源とするマグニチュード7.1の大きな地震を受け、気象庁は同日「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表しました。「近い将来に巨大地震が発生する危険性が高まっている」として、防災対策への関心が高まるなか、関連銘柄の一角として注目が集まりそうです。 | ||||
沖電気工業(2024年8月9日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
電気機器 | 東P・6703 | 906円 | 8.2倍 | 0.56倍 |
新紙幣への切り替えに伴う需要増で、営業損益が黒字に転換 新紙幣への切り替えでATMや現金処理機の出荷が増加したことで、8月8日発表の2025年3月期・第1四半期の業績は、売上高が前年同期比20.1%増の979億3900万円、営業損益が38億6000万円の黒字(前年同期は1000万円の赤字)でした。ATM事業に関しては今期もフル稼働で生産対応しており、2025年度も同程度の生産が続くと見ているようです。株価は、8月5日につけた安値773円をボトムにリバウンドを見せていますが、PBRは0.5倍台と依然として割安な水準です。 | ||||
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